【実在】日本刀の名刀や妖刀

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誰しもが一度は耳にしたことがあるであろう日本刀。良く聞く【名刀】や【妖刀】
それってホントに実在するの!?マンガやゲームだけの話じゃないの!?

今回は、ホントに実在する【名刀】や【妖刀】について調べてみました。

天下五剣

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では、まずここから。多くの日本刀の中から、室町時代頃より特に名刀といわれた五振りの日本刀。どれも国宝や宮内庁所蔵の御物、重要文化財に指定されています。

名刀にはどれも伝説的な逸話がついてますな。

童子切安綱(どうじぎりやすつな)

かの有名な武将、『源頼光』(948~1021平安時代中期に活躍した武将。ざっくりいうと鎌倉幕府を開いた『源頼朝』の遠い親戚、祖先)の愛刀。
丹波の国に住み着いた酒呑童子という鬼を斬った刀。江戸時代に試し切りの達人が6枚胴をした上に、刃が土台まで達したという逸話を持つ。一時期は個人蔵だったが、現在は東京国立博物館所蔵。国宝でもある。

鬼丸国綱(おにまるくにつな)

鎌倉幕府の『北条時頼』(1227~1263鎌倉幕府の第五代執権。)の夢に毎晩小鬼が出て悪さをして苦しめていた。ある晩、夢の中に老翁が現れて自分は太刀国綱である。錆て鞘から抜け出せない。小鬼を退治したいなら錆をとってね。と言い残し、驚いた『北条時頼』は国綱の太刀を手入れしたら、なんやかんやで小鬼は夢に出てこなくなった。この事件から太刀を【鬼丸】と命名した。宮内庁所蔵。

三日月宗近(みかづきむねちか)

平安時代の刀工『三条宗近』作。刀身に鎬(しのぎ)と反りがある形状の日本刀としてはもっとも古いものの一つとされている。伝来には諸説入り乱れ、戦国時代末期以前はハッキリとはしていない。なんやかんやで徳川家が所有していたが、太平洋戦争後に徳川家から個人所蔵になり、平成4年(1992)に東京国立博物館に寄贈され、以降は同館の所蔵となる。国宝指定で、天下五剣の中で最も美しいとされている。作刀時期は諸説あるが、10世紀末から11世紀初頃が有力。

大典太光世(おおでんたみつよ)

平安時代後期の刀工『典太光世』作。同時代の太刀に比べて非常に身幅が広く、刀身が短いといった独特の作品。足利将軍家の家宝だったが、後に『豊臣秀吉』の所有となる。その後は『前田利家』に贈られたとも『徳川家康』に贈られた後に『前田利家』に贈られたとも言われるが、前田家第一の家宝として伝わる。現在は前田家に伝わった文化財を保存・管理している『前田育徳会』が所蔵している。こちらも国宝である。

数珠丸(じゅずまる)

平安時代末期から鎌倉時代前期の刀工『青江垣次』作。あの名僧日蓮(1222~1282日蓮宗の宗祖。)が所持していたとされる太刀。日蓮没後は身延山久遠寺に保管されていたが、1716~1736の間に行方不明に。1920頃、宮内省の刀剣御用掛の『杉原祥造』がひょんなことから発見。久遠寺に返納しようとしたが交渉がまとまらなかったので兵庫県尼崎市の本興寺に寄進されて、現在も本興寺が所蔵。こちらは重要文化財に指定されている。

 

逸話がスゴイ名刀

スンゴイ逸話付きの名刀です。一度くらいは聞いたことがあるかも!?

へし切り長谷部(へしきりはせべ)

南北朝時代の作刀。かの有名な『織田信長』が、無礼を働いた『観内』という茶坊主を斬った刀。この『観内』は台所に逃げて棚の下に隠れたが、『織田信長』は『観内』を棚ごと「圧し切り」(刀身を押し当てて切ること)にして斬ったので「へし切」の異名がついた。その後、『織田信長』→『羽柴秀吉』→『黒田孝高』と諸説はあるが、黒田家の家宝として所有された。現在は福岡市の所有となっており、国宝に指定されている。

にっかり青江(にっかりあおえ)

南北朝時代、備中青江派の『青江貞次』の作刀。ある武士が、にっかり笑う女の幽霊を切り捨て、翌日に現場を確認したら石塔が真っ二つになっていた伝説を持つ。所有者は、ある武士(諸説あり)から『柴田勝家』を経て、なんやかんやで『京極家』に代々受け継がれる。その後は国内を転々とするが、平成9年(1997)に丸亀市が購入し、現在は丸亀市立資料館に所蔵。重要美術品に指定されている。

祢々切丸(ねねきりまる)

正式名称は『山金造波文蛭巻大太刀(やまがねづくりはもんひるまきのおおだち)』日光二荒山神社所蔵。兎に角大きい。ものスンゴイ大きい。刃長216.7㎝・身幅5.6㎝刀身重量24㎏と日本最大の太刀といわれる。昔、日光の鳴虫山に【祢々】という虫の妖怪が住み着いて人々を困らせていたが、二荒山神社の拝殿から、この太刀が飛び出て妖怪を斬り捨てたという逸話を持つ。妖怪バスター。こちらは重要文化財に指定。現在も日光二荒山神社が所蔵。

菊一文字則宗(きくいちもんじのりむね)

正確には菊一文字則宗というのは刀工の名前である。『則宗』は備前の刀工であり、福岡一文字派の祖である。『則宗』は鎌倉時代の後鳥羽上皇の御番鍛冶中の第一に位したと伝えられる。彼の作刀の刀剣は極少数しか現存してはいないが、国宝や重要文化財に指定されている。

宗三左文字(そうざさもんじ)

南北朝時代に作刀。名称は『三好左文字(みよしさもんじ)』、『義元左文字(よしもとさもんじ)』と称されることも。所有者は『三好政長(三好宗三)』→『武田信虎』→『今川義元』→『織田信長』→『豊臣秀吉』→『豊臣秀頼』→『徳川家康』となる。以降は徳川将軍家の重宝として代々受け継がれていく。明治2年(1869)に徳川家から京都北区の建勲神社に寄進され、現在でも建勲神社所蔵。重要文化財に指定。

チョット怖い妖刀

ゲームとかでお馴染みな有名なあの刀。日本人なら一度は耳にしたことがあるハズ。逸話も含めて色々調べてみました。

村正(むらまさ)

この『村正』は、正確には刀工の名前。伊勢の国桑名で活躍した刀工で、別名を『千子村正(せんごむらまさ・せんじむらまさ』とも言う。村正の刀は徳川家に仇をなす【妖刀】として広く伝わり知られている。その原因としては・・・

・『徳川家康』の祖父『松平清康』は家臣の謀反によって死去。その時、『松平清康』を斬った刀が【村正】

・『徳川家康』の父『松平広忠』は家臣の謀反によって死去。その時に『松平広忠』を斬った刀は、祖父と同じく【村正】※ただし、近年の研究により『松平広忠』の死因は家臣の謀反では無く、病死といった説も出ているため、真偽の程は不明。

・『徳川家康』の嫡男であった『松平信康』が謀反の疑いで切腹。その切腹の際に使用した脇差が【村正】

・『徳川家康』の正妻であった『築山殿』は小藪村で斬られ、生涯を終えたが、『築山殿』を斬った刀も【村正】

・『徳川家康』が大阪夏の陣で、本陣を『真田信繁(真田幸村)』に急襲され、『徳川家康』に向かって投げ付けたと言われる刀も【村正】

・呪っているのは『徳川家康』だけでなく、徳川幕府も呪っちゃいます。慶安に『由井正雪』の徳川幕府転覆計画が発覚。彼が所持していたのは【村正】の刀。

・幕末期に倒幕派の志士(西郷隆盛等)の多くが佩刀していた刀は【村正】

上記の様に、徳川家に仇をなす。と言われれば、仇をなしてる気もしますが・・・
実は、その一方で、『徳川家康』は『尾張徳川家』に自身の形見として【村正】の刀を残しています。この刀は、現在でも『徳川美術館』に所蔵されており、徳川家康が【村正】を嫌ったのは、後世の創作では?との説も濃厚です。
更に、村正一派が活躍した『伊勢の国』は徳川領の三河に近く、三河を始めとする東海地方には村正一派の数も多く、村正一派の刀剣を所持する者は徳川家臣団にも多かったのです。
例えば・・・徳川四天王の一人『本多忠勝』の所持する名槍『蜻蛉切』は村正の一派である『藤原正真』の作です。同じく、徳川四天王筆頭の『酒井忠次』の愛刀も、同じく『藤原正真』の作です。
原点に立ち戻り、【村正】の特徴をひも解いてみましょう。
刀匠である【村正】と【村正一派】は「数打ち」と呼ばれる大量生産を良しとする方向性があったのです。「数打ち」と呼ばれる刀は、どれだけ「安く」・「早く」・「大量」に作刀できるかが重要で、性能は二の次のものです。しかし、そこは流石の【村正】と【村正一派】。彼は「関鍛冶」と言われる名高い刀匠を数多く輩出した地方の出身です。故郷で受けた教えや経験で、「品質」と「手間」のバランスを見極めで、価格は安く、量産も出来るけど「切れ味も鋭い」といったファンタスティックな刀を作刀していたのです。要は【コスパ最強】の刀だったんですね。
戦乱気は合戦が多いですよね?そのたびに兵士に武器が必要です。そう、刀が必要。しかも大量に。そんな時代に、大量発注できて、しかもお値段控え目、けれども切れ味鋭い。そんな刀あったら、皆さんこぞって発注しますわ。よって、単純に【村正】の刀は大量生産品で、みんな持ってた。って説が出ます。別段、徳川家に仇をなしてるんじゃなくて、単純な『確率』の問題では?という説もでますね。
「数打ち」であるが故に、美術品としての評価も低いと言われます。確かにこれだけ有名な【村正】の刀ですが、国宝や重要文化財に指定されたものはありません。

まとめ

いかがでしたか?
日本が世界に誇る日本刀の名刀、妖刀の伝説の数々。ここには書いていない名刀や妖刀も、モチロンまだまだ数多く存在し、現存するものもあります。残念ながら太平洋戦争のゴタゴタで紛失してしまった刀や、焼失してしまった刀、海外に流失してしまった刀も数多くあるのは事実です。
しかし、歴史の渦の中に燦然と輝く名刀、妖刀の逸話や伝説の数々。これは決して色あせることなく、人々の心に残り続けるのです。

 

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